ふちがみとふなとの歌

   『ナ・ララ』



 ふちがみとふなと









ちいさいころ

ねむるのがこわかつた

目をとじたら

せかいはどんな風だろう

こわいゆめをみればいつも

かならず誰かがそばにいた


うれしいきもちをかかえて眠ったら

ゆめもみないうちに
朝がおとづれた

すばやく朝のしたくをして

さぁ今日もはたらきにゆこう





かなしいきもちのままで目をとじたら

朝がとおくて なかなかやってこない

しらみかけた窓とともに

おもいねむりがやってきた


地下鉄にゆられて うたたねしたら

しらないうち電車は
そとに出ていた

窓にうつる自分の顔と

すぎてゆく家並みのあかり





毎日会いたいひとがいるときには

すこしでも長いあいだそばにいたい

ねがいがからねむるけれど

ゆめには一度もあらわれない

ちいさいころ
ねむるのがこわかった

目をとじたら

せかいはどんな風だろう

こわいゆめをみればいつも

かならず誰かがそばにいた



こわいゆめをみればいつも

かならず誰かがそばにいた